人の手の動きをロボットに再現させる際に、人の手の動きを計測漏れなく測定できるシステムの相談を頂いた事例です。人の手の動きで握る動作の測定が必要となり、従来のモーションキャプチャシステムではオクルージョンの関係で握る動作の途中から計測ができず、また計測を成立させるために多くのカメラを使用して設置することが費用でした。またカメラを追加しても計測ポイントによっては計測できずグローブ式のセンシングを使用して計測データを取得しておりましたが、グローブの装着感が気になり本来のパフォーマンスが出せていないという課題がありました。

実験室での1m～3m程の計測対象エリアとなり、既に所有していたOptiTrackカメラ6台を有効活用するためにカメラモードをグレー映像に切り替えマーカーレスモーションキャプチャ【Captury】と連携しマーカーレスで計測を行いました。

動作分析システムは弊社では４つあり、画像処理/AIを使ったもの、光学式モーションキャプチャーを使用したもの、慣性式モーションキャプチャー、新しくリリースしたリアルタイムマーカーレスモーションキャプチャです。今回は専用スーツやグローブ、反射マーカーなどが不要な３次元のシステムです。

ご購入の決め手としては、光学式のモーションキャプチャよりも精度は劣るものの、想像よりも高い精度で動きを数値化できたこと、被験者に反射マーカーやグローブなどの装着感を気にすることなくパフォーマンスが発揮できたこと、リアルタイムで計測ができたことが決め手でした。人の手の動作以外にも全身の動作計測を複数人同時計測などの課題もあるので、様々な動作計測課題に転用できるという判断によるものでした。

マーカーレスでパフォーマンスが発揮でき自然体での動きの計測で細部まで数値化できた。また、計測のための事前準備が多く、計測対象者の負担も大きい側面が解消され、負担やストレスを低減させることも実現できました。

Captury（キャプチュリー）は、リアルタイムにマーカーレスでモーションキャプチャが可能なシステムです。複数台のカメラから骨格認識を行うことで、３次元的なトラッキングを実現します。計測範囲内に入るだけで即座にスケルトンを認識して計測がはじめられ、また、マーカーの装着が不要なので、服装の制限が少なく自由度の高い計測が可能です。

Capturyは専用のカメラだけではなく、OptiTrackカメラでの計測にも対応しています。OptiTrackカメラで計測する場合は、基幹ソフトウェア「Motive」にてキャリブレーションを実施後、キャリブレーションファイルをCapturyへ読み込むことで簡単にセットアップが可能です。

Iによる骨格推定システムは、1台のカメラで動きの計測するイメージをしておりましたが、今回導入した【Captury】では複数台のカメラを用いての計測でした。 
複数台のカメラ取得データの統合は、従来の光学式モーションキャプチャの簡易なキャリブレーションによって、リアルタイムに実現でき、計測後の処理負担もなく驚きでした。
何より従来システムで発生していたオクルージョンやデータの取得漏れが、【Captury】で解決できたことが本当に助かりました。光学式モーションキャプチャ・マーカーレスモーションキャプチャで計測内容に応じた強み・弱みがあることも分かりました。

マーカーレスモーションキャプチャを活用することで、計測準備工数の削減や本体のパフォーマンスが発揮できることが見込め、また幼児など今までは専用スーツの着用やマーカー貼付がＮＧだった課題に対しても活用できるシステムになっています。光学式モーションキャプチャと比較した時に、精度面での課題があることも事実。最適なカメラアウト・カメラ・キャリブレーションなどの要素も精度に影響するため、我々も様々なアプリケーションでチャレンジをしシステム提案だけでなくノウハウも含めた提案ができる様にと思っております。